「ただいまの取り組みは、物言いがついた結果軍配差し違えとなり、〇〇関の勝ちとなります」
って言う審判のアナウンスを聞いたことがありますよね。この軍配差し違えをしたら、行司は処分があるようです。
相撲ファンの管理人としては、力士の取り組み結果はもちろん気になりますが、行司についても色々と気になることがあります。
相撲にハマればハマるほど行司のことが気になるんですね。もしかして、あなたもそうですか?調べてみると、差し違えをすると処分があるようなのです。
そんな厳しい行司の世界ですが、どのような処分があるのかについて調べて見ましたので、一緒に見ていきましょう。
行司の軍配で差し違えがあった時の処分はどうなるのか?
行司の軍配の差し違えとは、行司が勝ったと思った力士に軍配を上げたが、審判から物言いがついて、行司が上げた力士ではない方が、勝ちと判断される事を言います。
全ての差し違えで処分があるわけではないのですが、1場所で2度あったり、2場所続けてあったりすると、処分があります。
人間だもの間違いはあるよね!ではすまないのが行司の世界です。
立行司が短刀をつけてる意味
立行司とは行司の最高位で、横綱をさばく木村庄之助と式守伊之助の二人です。立行司は、お腹のあたりに短刀を差しています。これは、江戸時代の行司からの歴史で、差し違えがあった時は、腹を切るという覚悟で軍配をふるっています。
お腹のあたりに短刀があります。これを差しているのは立行司だけです。
立行司は横綱の取り組みに軍配をふるいますので、もし差し違えをしたら腹を切る覚悟で、行司をやるということで、江戸時代からある伝統のようです。
腹を切った行司はいるのか?
江戸時代以前には本当に腹を切ったことがあるようですが、詳しい事はわかっていません。江戸時代からの記録では、実際に切腹したという記述は見つかっていないようです。
さすがに軍配差し違えだけで、腹は切らなかったようですが、江戸時代はお侍さんに土下座をしないと、無礼だって言われて切られていたようですから、あったかもしれませんね。
立行司になるとそれぐらいの覚悟なので、やはり横綱の取り組みで差し違えをした時には、行司は理事長の所に行って、進退伺を出しに行きます。
そして、理事長の判断で減給や出場停止などの処分が下されます。
差し違えの処分例
[3日間の出場停止処分 2015年九州場所]
2015年の九州場所の7日目で、立行司の40代式守伊之助が、白鵬ー隠岐の海戦で軍配を隠岐の海に上げたが、物言いがつき軍配差し違えで白鵬が勝利しました。
これ一回だけならば、処分はない所ですが、進退伺に行った40代式守伊之助に北の湖理事長が下した決断は、3日間の出場停止処分でした。
この処分がでた理由は、この九州場所の3日目の日馬富士ー碧山戦で差し違えをしたからです。
さらに、この前の場所の秋場所では、10日目の鶴竜ー妙義龍戦でも差し違えをしました。
40代式守伊之助は2場所で三回の軍配差し違えをしましたので、3日間の出場停止処分になりました。
40代式守伊之助は取材に対して、
「不徳の致すところです。3日間の出場停止処分でも短いと思います。申し訳ありません」
とコメントしています。
さらに、この次の場所の2016年初場所でも、鶴竜-豪栄道戦でも物言いがつき、結果軍配差し違えとなりました。これで3場所連続で4回の差し違えをしたことになります。この時は、特に処分はなかったようです。
2015年春場所で、木村庄之助が定年(65歳)で引退しているので、40代式守伊之助がすんなりと、木村庄之助に昇格するのかと思っていましたが、この3場所で4回の軍配差し違えをやったことで、木村庄之助への昇格はしばらくは無いようですね。
40代式守伊之助の3日間出場停止ぐらいで、実際のところはほとんど、理事長が処分を下すことは無いそうです。しかし、過去には差し違えをして進退伺に行ったが、処分は何もなかったのに、自分で責任をとって、引退した立行司もいるようです。
立行司以外は処分はあるのか?
立行司は差し違えをした後に、自ら理事長の所に行って進退伺をしますが、立行司以外の行司が差し違えをした時には、処分はあるのでしょうか?
この場合は、降格処分になります。
次の表は行司の人数です。立行司以外の行司は下に下がるという事ですね。
・立行司(2名)
木村庄之助
式守伊之助
・三役格行司(3名)
式守 勘太夫
木村 玉治郎
木村 容堂
・幕内格行司(9名)
・両格行司(7名)
・幕下格行司(7名)
・三段目格行司(7名)
・序二段格行司(6名)
・序ノロ格行司(4名)
例えば、幕内格行司の木村庄太郎まで昇格したら、次はやっと三役格の木村容堂になれると思ったのに、軍配差し違えをして降格してしまったら、とほほですね。
出場停止や減給はありませんが、降格してしまったら給料は下がってしまいますので、ある意味減給ですね。せっかく足袋を履ける行司になったのに、軍配差し違えで降格して、はだし行司に戻ってしまうのも辛いですね。
とにかく、行司にとって差し違えは非常にキビシーのです。なので、日頃から一生懸命に訓練をしているのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。行司の差し違えの処分について見てきましたが、なかなかキビシーもんですね。
行司は昔から切腹をする覚悟で、差し違えの罪を背負ってたとは大変なことです。
どうしても人間がさばくのですから間違いはあるでしょうが、厳しい勝負の世界では間違いは許されないので、厳しい処分があるようですね。
そのために、日頃から訓練をして、差し違えのないように頑張っているんですね。モンゴル人の力士が増えてきて、相撲の動きが早くなってきました。
力士の両者が動き回って、土俵に落ちた時に微妙な判定も増えてきたので、以前よりも行司は大変なようですね。でも、見てる方は動きの激しい相撲は面白いですね。
今後は相撲中継を見るときは、行司の軍配さばきにも注目して見ていくと、今まで以上に相撲が面白くなりそうです。
コメント