横綱の昇進の条件は一般には、連続優勝しないとなれないと言われていますよね。しかし、鶴竜と稀勢の里の2人続けて連続優勝しないで、横綱に昇進しました。
現在の横綱の昇進条件には、確かに連続優勝は入っていますが、それに準ずるということもあります。
さて、それに準ずるとはどういうことなのでしょうか?その辺を見ていきたいと思います。
また、双羽黒廃業事件以来横綱の昇進が厳しくなりましたが、双羽黒廃業事件ってどんなことだったのかについても簡単に説明しましたので、お付き合いください。
横綱の昇進の条件ついて
稀勢の里関が2017年1月場所で優勝して、19年ぶりに日本人の横綱が誕生しました。このことで、さらに相撲人気に勢いがついて、連日の大入りの満員御礼となりました。
さて、横綱の昇進の条件ですが、一般に言われているのが
このようになっていますが、この準ずる成績と言うのが曖昧なので、一般人には納得できない時もあります。
昭和24年5月場所以降の横綱昇進の前の3場所の成績です。
※優は優勝です。
※準は準優勝です。
※決は優勝決定戦で負けた時です。
四股名 |
三場所前 |
二場所前 |
一場所前 |
三場所計 |
千代の山 |
11勝4敗 |
8勝7敗 |
14勝1敗優 |
33勝12敗 |
鏡里 |
11勝4敗 |
12勝3敗準 |
14勝1敗優 |
37勝8敗 |
吉葉山 |
14勝1敗準 |
11勝4敗 |
15勝優 |
40勝5敗 |
栃錦 |
9勝6敗 |
14勝1敗優 |
14勝1敗優 |
37勝8敗 |
初代若乃花 |
11勝4敗 |
12勝3敗準 |
13勝2敗優 |
36勝9敗 |
朝潮 |
14勝1敗優 |
11勝4敗準 |
13勝2敗準 |
38勝7敗 |
柏戸 |
10勝5敗 |
11勝4敗 |
12勝3敗決 |
33勝12敗 |
大鵬 |
11勝4敗準 |
13勝2敗優 |
12勝3敗優 |
36勝9敗 |
栃ノ海 |
11勝4敗 |
14勝1敗優 |
13勝2敗 |
38勝7敗 |
佐田の山 |
13勝2敗準 |
13勝2敗準 |
13勝2敗優 |
39勝6敗 |
玉の海 |
13勝2敗優 |
10勝5敗 |
13勝2敗決 |
36勝9敗 |
北の富士 |
12勝3敗準 |
13勝2敗優 |
13勝2敗優 |
38勝7敗 |
琴櫻 |
9勝6敗 |
14勝1敗優 |
14勝1敗優 |
37勝8敗 |
輪島 |
11勝4敗準 |
13勝2敗準 |
15勝優 |
39勝6敗 |
北の湖 |
10勝5敗 |
13勝2敗優 |
13勝2敗決 |
36勝9敗 |
二代若乃花 |
13勝2敗準 |
13勝2敗決 |
14勝1敗決 |
40勝5敗 |
三重ノ海 |
10勝5敗 |
13勝2敗準 |
14勝1敗決 |
37勝8敗 |
千代の富士 |
11勝4敗準 |
13勝2敗準 |
14勝1敗優 |
38勝7敗 |
隆の里 |
12勝3敗準 |
13勝2敗準 |
14勝1敗優 |
39勝6敗 |
双羽黒 |
10勝5敗 |
12勝3敗準 |
14勝1敗決 |
36勝9敗 |
北勝海 |
11勝4敗 |
12勝3敗優 |
13勝2敗準 |
36勝9敗 |
大乃国 |
15勝優 |
12勝3敗準 |
13勝2敗準 |
40勝5敗 |
旭富士 |
8勝7敗 |
14勝1敗優 |
14勝1敗優 |
36勝9敗 |
曙 |
9勝6敗 |
14勝1敗優 |
13勝2敗優 |
36勝9敗 |
貴乃花 |
11勝4敗 |
15勝優 |
15勝優 |
41勝4敗 |
三代若乃花 |
10勝5敗 |
14勝1敗優 |
12勝3敗優 |
36勝9敗 |
武蔵丸 |
8勝7敗 |
13勝2敗優 |
13勝2敗優 |
34勝11敗 |
朝青龍 |
10勝5敗 |
14勝1敗優 |
14勝1敗優 |
38勝7敗 |
白鵬 |
10勝5敗 |
13勝2敗優 |
15勝優 |
38勝7敗 |
日馬富士 |
8勝7敗 |
15勝優 |
15勝優 |
38勝7敗 |
鶴竜 |
9勝6敗 |
14勝1敗決 |
14勝1敗優 |
37勝8敗 |
稀勢の里 |
10勝5敗 |
12勝3敗 |
14勝1敗優 |
36勝9敗 |
この表を見ていただくとわかると思いますが、1987年の大乃国以前は連続優勝は少ないですね。栃錦、大鵬、北の富士、琴桜の4人しかいませんでした。
これは、この後説明しますが、双羽黒廃業事件があってから、連続優勝を横綱の条件に取り入れたことからです。
しかし、最近では鶴竜と稀勢の里が連続優勝をしていないのに、準ずる成績で横綱になりました。大乃国が横綱になる以前では、3場所の合計が36勝以上で優勝があることが条件でした。
1990年以降で、3場所の合計が36勝以上で優勝があるのに横綱になれなかった力士がいます。
- 小錦:優勝1回 3場所37勝
- 霧島:優勝1回 3場所37勝
- 魁皇:優勝1回 3場所36勝
いずれも、大関で引退しています。双羽黒廃業事件がなければ横綱になっていた可能性はある力士です。
それでは、双羽黒廃業事件とはどのような事件だったのかを見ていきたいと思います。
双羽黒廃業事件とは?
双羽黒は大関では「北尾」でした。横綱になる前の3場所の合計は36勝したものの、優勝経験が一度もなかったので、横綱審議委員会でも反対意見もあったが、当時の高橋委員長が押したこともあり、多数決で横綱に決まりました。
この後も、マスコミや世間からは優勝してないのに横綱になるのはおかしいと批判がでました。
横綱になってからの8場所も、優勝決定戦までは行くがいつも千代の富士に負けて、優勝は一回もありませんでした。
双羽黒廃業事件とは、双羽黒が立浪親方と口論になり、間に入った女将さんを投げ飛ばし怪我をさせた上、部屋を飛び出し、都内のマンションに籠城していました。
そして、立浪親方は日本相撲協会に双羽黒の廃業届けを提出して、日本相撲協会もこれを受理したので、双羽黒は廃業となりました。
しかし、この口論の原因がちゃんこ鍋の味が美味しくないと言うことから始まったようです。まーその前から仲が悪かったようですがね。
わずか8場所で横綱を引退することになって、しかも1度も優勝がない横綱と言うのも相撲が始まって以来初めてのことでした。
この事件をきっかけに、日本相撲協会は大関で2場所連続優勝することが、横綱の条件としました。このことで、先ほど紹介した3人の大関は横綱にならずに引退していきました。
その後双羽黒は北尾とう本名で「スポーツ冒険家」という肩書きで、バラエティ番組などのテレビに出演します。そして、今度はプロレスラーになりますが、ここでも練習をしないのと、暴言を吐いたりして、解雇されます。
その後は、立浪部屋の後輩が親方になったことから、立浪部屋の相撲アドバイザーとして活動していますが、あまり表には出てこないようです。その方がいいかも。
今後の連続優勝に準ずるとはどうなるのか?
鶴竜と稀勢の里が続けて、連続優勝なしに横綱になりましたが、今後はこの「準ずる」という基準はどうなるのでしょうか?
準ずるという判断ですが、その時の理事長が決めるような感じなんですね。鶴竜は準優勝した時は、決定戦で負けたからいいだろうって感じだったようです。
稀勢の里も大関で二桁勝利が多く安定しているのと、横綱を結構破っている(1年間で8勝8負)からいいよねって感じで、横綱になったようですので、今後は連続優勝はしなくても横綱になれそうですね。
それと稀勢の里は2016年の年間最多勝利を上げているのも、選考理由にあります。横綱3人よりも勝ち星を上げているのは、すごいことです。
2017年現在の、八角理事長の判断が今後どうなるのかが楽しみですが、貴乃花がいつ理事長になるのかも楽しみですね。もし、理事長になったら色々と改革をするのでしょうかね。
ちなみに、息子さんが革靴を作っているところをテレビでよく見ますね。息子さんが注目されると、また貴乃花が注目されて、理事長になったら相撲協会が注目されて、面白くなりそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。横綱の昇進の条件について見てきましたが、その時によって変わってくるようですね。双羽黒廃業事件も相撲の世界には大きな問題となりました。
このような問題があった後は、もっとよくしようとみんなで努力するので、相撲が面白くてよくなってきたと思います。
横綱の昇進の準ずるということも、もっと世間の意見も取り入れた方がいいでしょうね。
これだけネットの世界が広がって、スマホの普及率も上がっていて、SNSでどんどん拡散される世の中なので、それをうまく利用できれば、もっと若い世代にも相撲人気が広がって行くと思います。
以前はお祖父ちゃん、お婆ちゃんの楽しみだったような時期もありましたが、最近では相撲女子なんかも増えてきてるので、これからはどんどん若い世代にも人気が出ることでしょう。
相撲女子が増えると必ずそこに男子がくるのは必然ですね。(笑)
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