こんにちは、相撲観戦が好きな管理人です。本日は土俵に作り方についてみて行きたいと思います。土俵についてあまり知らなかったので、作り方や俵や土などを調べてみました。
土俵を作るのは呼び出しなのですが、かなりの職人技で作られていることがわかりました。呼び出しは、裏方で頑張っていたのですね。
また、どこの土を使っているのかも調べてみましたが、2017年から変わったこともあるようなので、この後詳しく解説します。
それでは、最初に土俵の作り方を簡単に解説しますので、一緒にみて行きましょう。
土俵の作り方を簡単に解説
基本的に本場所の土俵を作るのは、呼び出し(45名)全員です。
本場所が始まる6日前から3日間かけて作られます。
土俵の作り方
・一辺が6.7メートルの正方形で高さが60センチに土を盛る
・小タコ、大タコ、タタキなどを使って人の力で土を固める
小タコ、タタキは一人で使います。大タコは4人で使うものです。下手な絵ですが簡単に書きましたので、ご覧下さい。
これらの道具を使って、呼び出しが人力で土俵を固めて行きます。土俵作りには機械は一切使わないそうです。
・固まったら五寸釘をつけたロープで直径4.55メートルの円を書きます
・円の外側に俵を埋める穴を掘る(俵を固める時に、ビール瓶が使われますが、アサヒの瓶が先が細くて持ちやすいようです)
・掘った穴に俵を埋めていく(合計66俵が埋められます)
・最後に水をまいて固めた土俵をコテを使って、手作業で綺麗にならしていきます。
※俵については、次の画像と解説で簡単にまとめました。
◆円の周りに勝負俵(16俵)
◆東西南北に徳俵(4俵)
◆円の外側に正方形で角俵(28俵)
◆その正方形の四角にあげ俵(4俵)
◆土俵に上がるための踏み俵(10俵)
◆力水を置くための水桶俵(4俵)※画像には入っていません
徳俵の豆知識
徳俵は東西南北に4俵ありますが、円の俵より一本分外側に出ています。しかし徳俵に足がかかっても負けにはなりません。なので、徳したということから徳俵と呼ばれるようになりました。
昔は外で相撲をとっていて、雨が降ってくると円の中に水が溜まってしまうことから、水はけのために、徳俵を設けたようです。
両国国技館の土俵の作り方と、大阪場所、名古屋場所、九州場所では若干の違いがあります。
さてここまで土俵の作り方についてみてきましたが、土はどこの産地の物を使ったいるのかを次の章でみて行きたいと思います。
土俵の土はどこの土?
両国国技館の土俵の土は、埼玉県川越市の「荒木田の土」が使われています。壁土用の土で、粘着力があり、土俵に最適だそうです。
地方場所では、その近くの粘土質の土を使っていましたが、2017年の九州場所からは、地方場所でも全て、「荒木田の土」を使うことになりました。
以前から、名古屋場所などでは土俵が滑りやすいなどの意見が、力士から出ていたためです。また、土俵にヒビが入ったりすることもありました。
このため、45トンの土を埼玉県から各地方場所に輸送することになりました。
さすがに力士は土の質までわかるのですね。滑りやすい土と滑りづらい土があるということを初めて知った管理人です。
ちなみに、本場所が終わった後の土俵を解体した土は、産業廃棄物の業者が処分するようです。もう一度使うのかと思ってましたが、使わないのですね。
仕切り線の豆知識
仕切り線の長さ
- 長さ:90センチ
- 幅:5センチ
- 二本の間隔:70センチ
土俵の真ん中に二本の白い線が引かれていますね。あれが仕切り線です。当たり前のようにいつもみていますが、仕切り線が引かれるようになったのは、1928年(昭和3年)からなのです。
なんとそれまでは、仕切り線がなく制限時間もありませんでした。しかも、待ったを何回でも出来たようで、取り組みが始まるまでに時間がかかったようです。長い時は1時間もかかってやっと取り組みが始まることもあったようです。
そのため、相撲協会は仕切り線を引いて、制限時間を設けるようになりました。そのきっかけは、NHKのラジオ放送が始まったからです。取り組みまでに時間が掛かり過ぎると、ラジオの放送時間が終わってしまうためです。
仕切り線を初めて引いた頃は、土を掘って白いセメントを入れたり、石灰を流し込んだりしていたようです。
しかし、取り組み中に力士が足をとられて怪我が多かったことから、ペンキを塗るようになりました。現在もエナメルペンキを塗っていて、毎日呼び出しが塗り直しています。
立会いに間する記事もありますので、もし良かったらご覧下さい。
➡︎相撲の立合いのルールを徹底解説!疑問を片っ端からチェックしてみた!
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土俵が出来上がると、土俵祭りが行われます。次の章ではその辺について、みて行きたいと思います。
土俵祭りとは?
土俵が完成すると、本場所の初日の前日に土俵祭りが行われます。相撲は神事ということで、安全を祈願して、土俵を清めるという意味があります。
儀式は白い装束を着た、立行司2名と三役格行事1名で行われます。2018年は立行司がいないので、三役格の行司3名で行われることでしょう。
祭主が祝詞を読み上げ、お神酒を捧げます。
その後、土俵の中央に開けられた穴に、塩 、昆布、するめ、勝栗、洗米、かやの実などを供えます。この穴を呼び出しがあとで綺麗に埋めます。
最後に、祭主が徳俵に御神酒をかけて、相撲協会の役員が御神酒をいただき終了します。
この土俵祭りは無料で見学できるようです。土俵祭りには、三役以上の力士も参加しますので、横綱が生で見られる可能性があります。
詳しい情報は、琴市しづかさんのブログで詳しく紹介されていますので、リンクを貼っておきます。
年間60回以上もある地方巡業ですが、土俵の作り方に違いがあるようなので、次の章でみて行きたいと思います。
巡業の土俵の作り方
巡業の土俵作りは、本場所とは少しだけ違うようです。
まず、土台が全て土ではなく、木枠を作ってその中に発泡スチロールの箱を詰めて、土台を作って行きます。
以前は、発泡スチロールではなくビールケースを使っていたようですが、ビール会社からビール瓶を入れる以外に使用しないように言われたようです。土俵が崩れて力士が怪我をしては大変だということもあったようです。
ビールケースを使っているところと、発泡スチロールを使って巡業の土俵を作る様子がわかるブログを見つけましたので、リンクを貼っておきます。
ヒヅメのたわごとさんのブログから引用
地方の巡業の土俵作りは、相撲協会の呼び出しもやりますが、その地域の地元の方や主催者の方も一緒にやるようです。
また、地方巡業の土俵を作る会社もあるようです。
※こちらのサイトでは土俵一ヶ所250万円となっています。
巡業の土俵は1日で作らなければならないので、早く出来る方法で行われるのですね。土俵を作る会社があることは知りませんでした。専門の業者だと仕事が早いでしょうね。
土俵作りから土俵祭りまでの動画をみつけました。10分9秒
その他土俵に関して知っておきたいあれこれ
ここまで、土俵の作り方や土などについてみてきましたが、その他にも土俵に間することを、簡単にまとめてみたいと思います。
女性は土俵に上がれないのか?
女性が土俵に上がれないということは、度々議論になっていますね。
2000年には、大阪場所で優勝力士に知事杯を渡したいと、太田房江大阪府知事が相撲協会に頼んだところ、相撲協会では、「大相撲は神事に基づき女性は土俵に上げないという伝統がある」ということで、拒否しました。
このようなことが問題になり、伝統を守るべきか、男女差別を無くすべきかと議論になりました。この問題はなくなることは無いようです。
好角家で知られる内館牧子さんは横綱審議委員会にいた時にも、女性が土俵に上がれないことに度々、意見を言っていました。
『女はなぜ土俵にあがれないのか』という著書も出しています。
この本の内容についても賛否両論あるようです。
現在では、女性相撲というものもあり、国際大会まであります。ここでは女性が土俵に上がっていますね。女性が上がれないのは、大相撲の土俵だけのようですね。
横綱土俵入りについて
土俵の話のひとつとして、横綱土俵入りがあります。十両や幕内力士はそれぞれ揃って土俵入りをしますが、横綱だけは一人づつ行います。
しかも、太刀持ちと露払いを引き連れて行います。また、雲竜型と不知火型を選択するということもあります。この辺については、詳しく書いた記事がありますので、参考にしてみて下さい。
➡︎横綱土俵入りの型について!雲龍型が不知火型より多い理由が意外!
➡︎太刀持ちと露払いの意味を徹底解説!色んな視点から見てみるよ!
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は主に土俵の作り方について見てきましが、管理人も調べてみて、初めて知ったことが多かったです。
まとめてみますと、
- 両国国技館の土俵は地下に収納されて、上の20センチだけが削られる
- 地方場所では、一から毎回作られる
- 2017年から土は、地方場所でも埼玉県の「荒木田の土」が使われる
- 地方巡業の土俵の土台は発泡スチロールが入っている
- 土俵を作る会社がある
- 土俵祭りは無料で見学できる
動画をみていると、呼び出しが作っていますが、まさに職人技ですね。何回もやっているとどんどん腕も上がっていくことでしょう。呼び出しの仕事もすごいですが、このような裏方の仕事でも頑張っているのですね。
呼び出しの給料や仕事について書いた記事もありますので、もし良かったら参考にして下さい
少しだけ土俵のことがわかったら、次からの本場所を見るときは土俵にも目が行きそうですね。俵の豆知識も覚えていたら、一緒にみている方に教えてあげてもいいかもしれませんね。でも、ほどほどにしましょうね。
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